未病

「未病」という言葉は日本ではまだ聞き慣れない言葉かもしれません。この言葉は2000年前の後漢の時代に、中国最古の医学書とされる「黄帝内経」 にはじめて見られます。このなかで、「未病」とは「病気に向かう状態」を指し、この未病の時期を捉えて治すことの出来る人が医療者として最高人(聖人)であるとかかれています。


 


『未病期』の状態

「未病期」の状態日本未病学会では、「自覚症状はないが検査では異常がある状態」と「自覚症状はあるが検査では異常がない状態」を合わせて「未病」としています。 そして「病気」とは交叉部位である「自覚症状もあるが検査でも異常がある状態」としています。■「未病期」は自覚症状のあるなしで「西洋型未病」と「東洋型未病」に分けることができます。 これまで看護は主に西洋型医療の一貫として、まさしく病気の中心者(患者)と接してきましたが、自覚症状のない西洋型未病期に属する人は多く、いわゆる病気予備軍イコー ル未病期でもあるわけです。


『未病』の分類

「未病」の分類・対象未病はM-ⅠA、ⅠB、ⅠC、M-Ⅱに分類されます。(表1:未病の分類参照)「自覚症状はないが 検査では異常が見られ、放置すると重症化するもの」(M-Ⅰ)と「自覚症状はあるが検査では 異常がないもの」(M-Ⅱ)としています。 M-ⅠAは通常の検査、保険でカバーできるところで異常が確認されるものです。 M-ⅠBは特殊検査で異常が確認されるものです。 自費で行う検査で異常が判明するものとして、M-ⅠCは遺伝子診断によってわかる未病、 M-Ⅱは東洋医学的な未病で「自覚症状があるけれど検査では明確にできない」状態をさします。西洋医学的未病の観点からは、「検査を行うことで発見できる異常状態」です。


■未病の対象となるのは、境界域高血圧、高脂血症、境界域糖尿病、肥満、高尿酸、動脈硬 化、骨粗鬆症、無症候蛋白尿、B型肝炎ウィルスのキャリア、無症候性脳梗塞、潜在性心不全、 脂肪肝などがあり、さらに広がることが予想されます。 一方、シンドロームX、インスリン抵抗性はアメリカからきた未病として捉えられ、現在ではメタボリックシンドロ−ムは、まさしく「未病」といえるでしょう。 


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